LS塾第2期第4回において 道野和枝氏の講義が行われました。


【開催情報等】

1.日時:2018年10月17日(水)18:30~

2.講義:「NY/パリそして札幌の空」

3.講師:道野和枝氏(salon de michino代表、言語教育家)


4.講義の内容


 

平均寿命が延びリタイア後の人生が30年という時代、この第二の人生を元気で何かに感動し、また挑戦し、仲間と集い楽しい時間を過ごすためのライフスタイルをプランニング、実践している。

「之を知る者は、之を好む者に如かず、之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。」と論語に有名な節がある。
「知るというのは、好むということに及ばない。好むというのは楽しむということに及ばない」
吉川幸次郎の論語解説によると「知る」とはそのもの、あるいは事柄の存在を知る事であり、この段階では対象は自己の外にある、「好む」とは対象に対して特別な感情を抱くことで、対象と自己と一体ではない。「楽しむ」とは対象が自己と一体、自己と融合することとある。

趣味の骨董を通してそれらが生産された国やそのものの素材に興味を持ち、子供たちの住むニューヨーク、パリへの往来を重ねるうちにパリのBelle Epoqueを彷彿させてくれる建築物やpassageに感動、内装にも興味を持ち始めた。特に、プロバンスに滞在中にVezelayにあるRelais&Chateauxcのことを知り、その加盟基準の5つのC、即ち、Courtesy、Charm、Character、Calm、Cuisineを体験した。今年の8月にはカリブ海にあるフランス領のSt Barthelemy、イタリアのコモ湖、スイスとの国境のLuganoでは有名デザイナーが競い合う家具、調度品が設置されているホテルに滞在し非日常を楽しんだ。

これまでに38年になる日本の古家の大改造から、パリの息子のアパート、ニューヨークの娘のアパート、そして札幌のアパートそれぞれの内装を試み、終わりない挑戦の真っ只中。

古代ローマのストア派の哲学者セネカが「真の幸福とは現在を楽しむこと、楽しめること」また「振り返るに値する過去を持つことが重要」と、この過去とは正に特別な財産のこと。

そんな財産を残せるようなライフスタイルをこれからもプランニング、実践し続けたい。

 


5.受講生からの感想


その場所に生活をしないと得ることができない複数の都市におけるそれぞれのビジネスの特色や、人々のデザインの発信の方法と受け止め方を体感でき、またそれらを5つのCをテーマに比較しつつ丁寧に解説いただけたことで、本質の一端に触れることができたと思いました。今回挙がったそれぞれの都市は常に我々が興味を持つ都市でもあるので、そこでのライフスタイルを東京や他の都市を理解する上でも役立てていきたいと思います。


6.塾長からの感想


これまでのご主人の赴任先における世界各地でのご経験や、現在のパリ、ニューヨーク、札幌を巡るライフスタイルについて、豊かなご経験を語っていただき、我々も新鮮な感動を感じ取ることができました。本塾としても、ぜひ今後も引き続きお話をしていただきたいと思います。


 

2018年10月17日