LS塾第2期第2回において 玄光日氏の講義が行われました。


【開催情報等】

1.日時:2018年7月18日(水)18:45~

2.議題:「アジアから見た日本のマーケット」

3.講師:玄光日氏(株式会社YDcapital代表取締役社長)


4.講義の内容


 

年収3,000万円以上、投資可能額100万ドル以上を保有する富裕層の年代は、中国と日本で大きく異なる。日本に比べて若い世代が中心となる中国富裕層の価値観に迫る。

中国の富裕層が増えたのは、政府が経済に力を入れ始めた文化大革命以後の1978年頃からである。現在の50代は国内の製造業で、30-40代はITで富を得た。彼らの70%は海外投資を行っており、主目的は子供の教育である。投資対象は証券や保険が中心だが、成長率では不動産の方が大きい。香港、アメリカ、オーストラリアが上位を占める投資対象国の中で、16位に入る日本への投資は今後増加する事が見込まれる。

日本の不動産を中国富裕層が買い求める現象について、危機感よりもそこに価値がある象徴と捉える。香港を例に挙げると、直近18年で年間訪問中国人は20倍に増加し、これに伴い不動産価格は3倍に上昇した。インバウンドの増加はその国の魅力度の指標でもあり、来日インバウンド顧客は更に増えると予想する。

NY、パリ、ロンドン等の世界の他都市と比較すると、日本の坪単価はまだ安い。中国富裕層にとって、不動産を転売する事よりも次世代のための資産形成が投資の目的である。彼らの投資は東京だけに留まらず、京都、大阪、北海道、九州等の地方へ、更には、食事、住環境、サービスという他事業へも拡大をしている。和室・温泉・富士山など、そこにしかないものへの審美眼、保有欲を備える彼らは、日本の全てから感動を受けている。

中国富裕層の価値観の主軸には「幸せ」がある。客観的評価に関わらず自身の行動に満足ができるか、自分の会社の社会への貢献度で幸せを感じる。また、自分という顧客にサービスや商品は向き合っているかどうか。彼らが不満に思う事にビジネスのチャンスがあるのではないだろうか。

 


5.受講生からの感想


中国人富裕層の若さや行動力と、日本の持つ潜在的な価値を再認できた。国をボーダーとせずに、魅力を感じるもの、環境を求めて軽やかに行動をする中国人富裕層の姿は、恵まれた自国に気付かずに日々をやり過ごす日本人にとって、考えさせるものが多いと感じた。


6.塾長からの感想


日本人から見た中国人富裕層の価値観への思い込みを、自国ならではの受け取り方で講義してくださった。日本と中国の良さを積極的に理解されている姿が、現在の不動産の仕事に活かされている事を感じる事が出来た。



2018年07月18日